20世紀には、英国タイタニック号の沈没、世界最初のジェット旅客機英国コメットの地中海への墜落、米国最初の人工衛星の打上失敗、スペースシャトルの打上失敗、日本航空123便（ジャンボジェット旅客機）の群馬県御巣鷹山への墜落など、歴史的な破壊事故が起きています。21世紀においても構造物の破壊事故は起きており、破壊事故防止は機械設計者・技術者の至上命題となっています。人工衛星の打上失敗と時期を同じく1950年代に米国のIrwinらにより「破壊力学」の学問体系が完成し、日本においても1970年代に、その「破壊力学」が学問体系として導入され、その研究が活発に行われました。その後も破壊事故は起き、尊い人命が失われることが多く、大きな社会問題になっています。破壊は地震と同様、忘れた頃にやってくるものです。地震と同様に備え有れば憂いなしです。最近では大学において、ようやく「破壊力学」の講義も行われるようになりました。江戸時代に体系化された「材料力学」と比べれば、「破壊力学」の歴史は若く、会社のベテラン中堅機械技術者には、大学において講義を受けていない方が多くおられると思います。数学が苦手な機械設計者・技術者においては、難しい学問として敬遠されてきた方も多いと思います。「応力集中係数」は知っているが、「応力拡大係数」は分からないという方もおられると思います。そこで、一時、大学、大学院、高専時代に戻り、破壊防止の基礎学問である「破壊力学」の基礎を数学が苦手な方でも分かるように平易に講義し、構造物の構成要素である素材と破壊の因果関係を明らかにします。勿論、過去に一度も破壊に関するセミナーを受けていない方々には破壊を理解する入門セミナーとなります。破壊力学の比較的若い歴史から鑑み、会社の上司から指導を受けることは殆んどなく、たとえ破壊が起こらない構造物に携わる中堅若手の機械設計者・技術者においても、破壊のイロハを学ぶ貴重なセミナーであると思います。学生時代に講義を受けたが忘れてしまったという機械設計・技術者においても有益なセミナーと確信しています。本セミナーでは、以下の10の素朴な疑問にお答えします。皆様の参加をお待ちしています。楽しく勉強しましょう。